賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2017/11/06

本を読みましょう

皆さんは毎年「文化の日」の前後2週間が読書週間とされていることを知っていますか。ですから、今週はちょうど読書週間の後半にあたっているわけです。賢明では、去年福永葵さんが読書感想文で内閣総理大臣賞を受賞しましたが、今年も大西功紗さんと原里桜奈さんが県レベルの賞を受賞しています。感想文のジャンルで賢明のレベルが高いことはとてもうれしいことですが、今、若い人(実は若者だけに限りませんが)の読書時間が減ってきている、というか本を読まない若者が増えてきています。賢明でも、学習状況調査を見ると新聞も本もまったく読まない生徒がかなりいました。大変残念なことです。

読書より実体験が大事だという人がいます。確かに体験は大事で、人の経験を交えての話は説得力があるし、なによりも面白いですね。ですが、私たちはなにもかも体験することはできません。特に時代を超えて経験することは不可能です。実体験や学校の授業などで得られなかった知識が得られ、未知の世界を知り、そして何よりも想像力を養うのは読書です。私は朝礼で色々な話をしますが、その話は自分の体験談のほかに友人・知人から聞いた話、あるいは講演会で聞いた話、またテレビやラジオからの情報など様々ですが、割合としては本や新聞から得られた知識が結構多いです。あなた方は、勉強が忙しい、部活もある、スマホをいじる時間も必要だ、読書などに時間が取れないと言うかもしれませんが、読書の時間はその気になればいくらでも作ることができます。

中国の宋の時代の学者に欧陽脩(おうようしゅう)という人物がいました。唐宋八大家の一人とされる名文家でもあります。この欧陽脩がこんなことを言っています。「余、平生作る所の文章、多くは三上に在り。すなわち馬上・枕上(ちんじょう)・厠上(しじょう)なり」つまり、自分が普段文章を練る、考えをまとめるのに適している場所が三つあるというのです。三つとも「上」がつくから三上というのですが、その三つの上とは一つが「馬上」、馬の上です。二つ目が「枕上」、枕の上です。そして三つ目が「厠上」、「厠」とは訓読みで「かわや」と読む、つまりトイレですね。欧陽脩は、馬に乗って移動している時、現代で言えば通学の電車やバスの中と、寝る前の時間と、及びトイレで用を足している時が普段文章を練るのに適していると言っているのです。

欧陽脩は文章を練る場所として三上を挙げたのですが、これは読書にもあてはまるでしょう。これは私の場合ですが、私は三上のうち二つを実行しています。電車の中とトイレの中です。電車に乗っている時は、必ずというわけではありませんが、本を読みます。「枕上」は昔はやっていましたが、最近は布団に入ると早い時には数秒で意識不明(?)になるので今はやっていません。そして二つ目は「厠上」、トイレの中です。これは私がかなり長い間続けている習慣で、尾籠(びろう)な話になって申し訳ありませんが、お薦めの場所です。トイレには壁にはめ込んだ形でものが置ける場所があると思います。文庫や新書なら楽に置けるし、単行本でも置けないことはありません。大事なポイントは、1冊持ち込んだらその本はトイレの中だけで読むと決めることです。したがって電車の中や書斎で読む本と並行して読むことになります。時間はかなりかかりますが、根気強く読み続ければかなりの量の本が読めます。私はトイレ読書を20年ほど続けていますが、誇張ではなく数十冊読破しています。少し自慢話になりますが、これまでトイレで読んだ本の中で最も長大な本は、井上ひさしさんの『吉里吉里人』という小説で、上下2段組みの単行本で八百ページほどあります。1年以上かかったかもしれませんが読破しました。

「三上」に限らず、本を読む時間はその気になればいくらでも作れます。読書週間を機に、あなた方も読書のそれこそ「習慣」をつけてほしいと思います。

最後に、これは読書ではなく創作の側の話になりますが、先週の朝日新聞の書評欄に14歳で作家デビューした女子生徒が紹介されていました。鈴木るりかさんといって、小学校の時に3年連続で「12歳の文学賞」で大賞を受賞し、そのときの受賞作や書下ろしを加えた短編集が『さよなら、田中さん』という題名で出版されたということです。あさのあつこさんから「鳥肌が立つような才能」と激賞されたそうで、すごい人がいるものですね。図書館に入れてもらいますから、皆さんも興味があれば一度読んでみてください。

 

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