賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2019/12/23

2019年度2学期終業式

今年は終業式とクリスマス・タブローが別の日になったので、両方とも時間に追われることがなく、気持ちの上で余裕ができてよかったです。

21日におこなわれたクリスマス・タブローですが、テーマである降誕劇の物語はいつも同じですが、毎年各学年がそれぞれ趣向を凝らして脚本を書き演じてくれるので、常に新鮮な目で見ることができます。今年は、時代背景を織り込んで描いたことでイエス・キリストがこの世に来られた意味、ご降誕の意味が明確に伝わってよかったと思います。歌や演奏もとてもきれいでした。高校1年生は皆が一つになってがんばった甲斐があって、とてもよいタブローを作ってくれました。来賓の方々も褒めてくださっていました。来年、67回生が卒業し68回生が受験勉強に入っていくと、賢明をリードするのは69回生になりますが、タブローを見て、リーダーとしてしっかりやってくれると思いました。

タブローの中で、馬小屋は家畜小屋と呼ばれていてそこに引っかかりを覚えた生徒もいたかもしれませんが、13世紀にアッシジの聖フランシスコが初めて飼い葉桶を飾った洞窟には、羊ではなく生きた雄牛とロバを配置したそうです。
ところで賢明の馬小屋ですが、校長室前の馬小屋の羊は行儀が悪くて私がいくら躾けても行儀の悪さが治りませんが、加えて先日、1階事務室前の馬小屋を見ると、サンタが飼い葉桶の中で寝ていました。仕事もせずに罰当たりなサンタですね。実は馬小屋にサンタがいること自体おかしいのですが、賢明らしくていいと思います。1週間前のカトリック新聞に載っていましたが、教皇フランシスコはクリスマスの馬小屋の意味と飾ることの大切さを説かれ、「どこに飾られても、どんな形でも、クリスマスの馬小屋は神の愛を物語ってくれます」とおっしゃっています(だからサンタもOKですね)。
皆さんが笑ってくれたので、ついでにもう一つ、今学期おかしかったことを紹介しましょう。創立記念ミサに関することです。元気のいい神父さんでしたね。マイクは必要なかったですね。このときのミサについて、中1の生徒が感想をHRノートに書いていました。色々いいことを書いてくれていましたが、お説教については、「説教と聞いて、神父さんにミサで怒られるのかと思っていました」。

さて、2学期が終わります。行事の多い学期でしたが、勉強や行事や課外活動すべてにおいて充実した学期だったでしょうか。数ある2学期の行事の中で、今年印象に残ったのは学院祭と体育大会でした。学院祭は天候に恵まれ前年より240名ほど来場者が増え盛況で、展示発表が充実していました。特に中学1年生のSDGsについての発表はよかったです。逆に体育大会は雨にたたられ、中断しては再開し、再開しては中断して、を繰り返しました。でもよくがんばってくれて、閉会式の時には雨も上がってさわやかな雰囲気になっていました。記憶に残る体育大会になりました。もう一つとてもよかったことがあります。全校行事ではありませんが、Be Leadersの活動の一環として高校2年生の5名が熊本での行われた女子高生サミットに参加しとてもよい発表をしてくれたことです。1学期から他校と連絡を取りながら準備を進め、アンケート調査を行い、プレゼンの練習にも時間をかけた結果が成果として出ました。バックにBe Leadersの仲間がいて支えてくれたこともあったと思います。行動する賢明生としてのブレイクスルーとなりました。

一方、社会では9月から12月まで様々なことがありましたが、この4か月で起こった出来事の中で、私にとって残念だったことや衝撃的であったこと、あるいは楽しかったこと、感銘を受けたことなど心に残っているものを校内でのことも一つ含めて5つ順を追って挙げてみます。
まず、これは学校関係のことですが、稲岡先生が亡くなられたこと。大変悲しく残念なことでした。
2番目はラグビーワールドカップが日本で開催されて盛り上がったこと。前任校の元教員でラグビー部の顧問だった友人と先日食事をしましたが、あそこまで盛り上がるとは思っていなかったそうです。
3番目は緒方貞子さんが亡くなられたこと。92歳だったので天寿を全うしたわけですが、存命なだけで日本の品格が上がるような方で、残念なことでした。
4番目はローマ教皇フランシスコが来日されたこと。カトリック関係者だけでなく各方面に感銘を与え、課題も置いていかれました。
そして最後は、アフガニスタンで用水路建設などでアフガニスタンの復興に尽力しておられた中村哲氏が銃撃されて亡くなったことです。

なぜこれらが私の心に残ったのか終業式を前に考えてみました。すると共通項が2つあることに気が付きました。一つは、すべて“Do the Best”であったこと。ベストを尽くす人たちだということが共通しています。そしてもう一つの共通項は、スポーツのジャンルのラグビーを除くと、ちょうど今年のクリスマス・タブローのテーマであった“Live for Others(他者のために生きる人たち)”であったということ。言い換えれば、“Be the Best”であったことが共通しています。

稲岡先生は英語教育の面からそれこそ命を削ってまで生徒のために授業に取り組まれた先生でした。
緒方貞子さんは国連難民高等弁務官としてクルド人問題、ボスニア紛争、ルワンダ難民などの難民問題に取り組み、それまで扱わなかった国内難民の救済に尽力したり、大規模な物資空輸をおこなったり、難民救済に軍隊の力を借りたりするなど、現場主義で人道支援をおこなった方で、日本が世界に誇れる女性の一人でした。
ローマ教皇フランシスコはカトリック教会の最上位に位置する方ですが、気さくで気取らず、常に弱者の視線で行動する言行一致の教皇です。以前朝礼で紹介した、私が参加した研修会の時に聞いた話です。フランシスコが教皇になる前、アルゼンチンの神学校で神学生を指導していたときに、正確かどうか覚えていません、確か「羊のにおいのする羊飼いになりなさい」と神学生に教えられ、実際ご自分もそのように行動されていたと聞きました。
中村哲さんは前任校で講演していただいたことがあったのでショックの度合いが大きかったです。朴訥とした感じの方で、話はさほどお上手とは思いませんでしたが、逆に誠実で強い意志が感じられました。現地では大きな尊敬を集め、アフガニスタンの大統領も棺を担いでいました。

以上、私が個人的に印象深かった事柄を列挙し、「他者のために生きる」という共通項でくくってみましたが、おそらく他者のために生きている人を見て共感し感銘を受けるのは私だけではないだろうと思います。

馬小屋の幼子イエスは手を広げている姿が多いですが、教皇フランシスコは、それは神が人となられ、「ほほ笑みと、誰にでも開かれた両腕で」、その愛の限りなさを示していると言われています。

2学期が終わり、まもなくクリスマスです。あなた方が馬小屋を見るたびに、幼子イエスのように周りの人々のために両腕を広げて行動する人間になる決意を新たにし、実際に実行することができれば、それこそがクリスマスの果たす意義なのだろうと思います。

それでは最後に2学期がどのような学期であったか振り返ってみましょう。充実した学期であったか、始業式で話したように何か一つでもブレイクスルーがあったか、うまくいかなかったこと、反省すべきことはなかったか、などを振り返り、3学期、そして2020年に向けて決意を新たにしましょう。

それでは、瞑目!

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