賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2020/02/29

2019年度高校(67回生)卒業式

 卒業式式辞(はげましの言葉)             
67回生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
詩人の吉野弘さんの詩に、「二月の小舟」という詩があります。
  冬を運び出すにしては小さすぎる舟です
春を運びこむにしても小さすぎる舟です
3月の足音を聞くころになってもまだマフラーや手袋をはずすには寒い季節ですが、一方では学校の中庭の梅の木が薄桃色のきれいな花を咲かせ、雪柳やボケの木も蕾をつけて今日の卒業式を祝ってくれる時期にもなりました。
私が賢明女子学院に来た時、67回生は中学3年生でした。赴任した当初、賢明の生徒の授業を受ける様子を知りたくてよく授業参観に行きました。あなた方の授業も見せてもらいましたが、その賑やかさに驚いたことを覚えています。生物の授業だったと思いますが、先生が説明をする、分かりにくいところがあると間髪を入れずに質問や感想が出て、とても賑やかなのです。続いて見せてもらった宗教の授業も教師と生徒お互いのやり取りがあって活発で、私にまで問いかけをしてくる生徒もいたほどでした。
楽しい盛りの中学3年生だし、たまたま賑やかに授業を進める先生のクラスを見たからだろうとは思いますが、とても明るく活気のある学年、というのが67回生に対する第一印象でした。その印象は今でも変わっていませんが、授業中の質問に関しては、何回か授業を見させてもらっているうちに、大事な部分ではしっかり話を聴いているし、質問も的を射たものが多いことに気づきました。勘所を押さえすぐに反応することのできる学年だと感心しました。
行事面において67回生は全力で取り組み、球技大会や体育大会、合唱コンクールなどでクラスが協力し、学年が一体となって団結し、優勝することが多かったですね。
 生徒会活動はとても活発で、問題を提起されるとそれに呼応してすぐに動く実行力があり、生徒の学校生活を活性化させてくれました。その延長線上にあるように思いますが、後輩学年が行事を主催することになり、がんばりましょう!、と下級生に呼びかけたその呼びかけに対して、反応のない下級生に代わって「ハーイ!」、と素直に返事をしたのは最高学年である67回生でした。皆さんは感じてはいないかもしれませんが、おそらくこの時の先輩の「ハーイ!」という返事に高校2年生は随分勇気づけられたのではないでしょうか。
 受験勉強真っただ中の昨年の2学期、授業終了後の休み時間にラグビーをまねて、職員室に帰ろうとする先生をスクラムを組んで阻止する茶目っ気も忘れませんでしたね。
このように元気いっぱいの賑やかな学年でしたが、賑やかなだけの学年では決してなかったと私は思っています。繊細な心の持ち主も多く、人を思いやることができ、自分のことや周りのことをじっくり見つめて深く考える生徒も多かったように思います。 修学旅行で訪れた遠藤周作記念館で食い入るように展示に見入っていた生徒がいました。一番思い出に残った場所が遠藤周作記念館だったと答えた生徒がいましたが、この生徒だったのでしょうか。全校朝礼でノーベル文学賞を受賞した『チェルノブイリの祈り』という本を紹介したとき、「私はこの本を読みました」と言ってきた生徒がいました。決して読みやすい本ではなく重たいテーマの作品ですが、中学生の時に読む鋭い感性を持った生徒がいることに驚きました。またクリスマス・タブローでナレーションを担当した生徒の語りは、その生徒の優しさを感じさせる気持ちのこもった心に沁みるもので、今でも私の耳に残っています。
元気一本やりではなく、繊細な心も併せ持った学年が67回生でした。
「人」を意味する英語にpersonという言葉があります。このpersonの語源をたどるとそこには一つの意味が隠されていることに気がつきます。personはラテン語のpersonaという言葉から来ているのですが、このpersonaのsonaはsonareという言葉から派生した言葉で、sonareには「鳴り響く」、「反響する」、「共鳴する」という意味があります。つまり、personareに由来するpersonには、人と人とが共鳴し合ってはじめて本物の人間になるのだ、という意味が込められているわけです。授業や学校行事、クラブ活動、生徒会活動を皆で協力し合い、全力でことにあたった67回生は、あなた方のよき理解者であった多くの先生方に囲まれながら、友だち同士切磋琢磨して共鳴し合い、成長することのできた学年でした。
4月から皆さんは新たなステージに進み、やがて社会に出て活躍されることになります。解決すべき多くの課題を抱える現代社会にあって、問題の所在を確認し仲間と協力し合いながら解決に向かって意欲的に行動する若い人たちが、今求められています。学年で共鳴し合いながら行動することのできたpersonareたるあなた方67回生こそそのような人たちなのです。
旧約聖書の創世記には、「信仰の父」と呼ばれるアブラハムについての記述で次のような個所があります。
あなたは生まれ故郷 父の家を離れて わたしが示す地に行きなさい
わたしはあなたを大いなる国民にし あなたを祝福し、あなたの名を高める
祝福の源となるように                 (創世記12:1-2)
この個所は、イスラエル信仰共同体が、何かあるたびに絶えず立ち戻った聖句と言われ、世界史の中での神の民イスラエルの位置と使命を明らかにしようとしたとも言われているそうです。
皆さんは、「燈台の光」の精神を学びながらかけがえのない青春時代を過ごした賢明女子学院を後にして、それぞれの道を歩むことになります。あなた方の道を明るく照らすのは光であるイエス・キリストであり、またキリストの道を示し続けた賢明女子学院でもあります。今、新たにそれぞれの道を歩み始める67回生を神様は祝福してくださっています。
67回生の皆さん、どうぞこれからもキリストの光に照らされ、自身も明るく輝きながらそれぞれの道を力強く歩んでください。賢明女子学院はいつまでもあなた方を見守っています。
最後になりましたが、67回生の保護者の皆様、本日はお嬢様のご卒業おめでとうございます。お嬢様は賢明女子学院でたくさんの友だちを作り、先生方から多くのことを学び、後輩を指導し、楽しい思い出を残し、元気で希望に満ちた女性に成長してくれました。私はお嬢様が賢明女子学院ご卒業後もベストを尽くしてそれぞれの道を歩み、ベストな人間になってくれますことを心から願っております。67回生の皆さんとご家族の皆様の上に神さまの豊かな祝福とご加護が与えられますことを祈念いたしまして、はげましの言葉とさせていただきます。
2020年2月29日
学校長 松浦明生

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