先生が顧問のハンドベル部は、12月は出演依頼が特に多いそうですね。

はい。ハンドベルはクリスマスのイメージが強く、12月の土日は老人ホームや病院、ショッピングモールなどからイベントの出演依頼があり、いつもどこかで演奏をさせていただいています。ハンドベル部には現在、中学生・高校生合わせて40名が所属していて、一度に全員が演奏することができない場合は、各会場の規模に合わせてグループを作りお伺いするようにしています。

ハンドベルのおもしろさとは、どんなことですか?

一般の楽器は一人でも練習できますが、ハンドベルは音階を分担して、一人が2音から4音を担当するため、一人では演奏が成り立たないところが魅力だと思います。私も賢明の卒業生で当時からハンドベルをやっていたのですが、家ではペットボトルやダンベルなどを使って練習していたのを覚えています(笑)。ハンドベルの音をうまく鳴らすには、手首のスナップをきかせるのがコツなのですが、同じぐらいの重さの物を持ってイメージトレーニングをすると、そのコツをつかみやすいんです。

では反対に、ハンドベルの難しさとは?

おもしろさと表裏一体で、一人の音のタイミングがずれると、みんな崩れてしまうところです。チームワークがとても大切で、奥の深い楽器だと思いますね。また、演奏会となると観客を目の前にして演奏しますので、美しさにも気を配る必要があります。たとえば、ベルが一直線に並ぶように、背の高い子も低い子も同じ高さで構えるように気をつけたり、ベルの鳴らし方も一人だけ大きく振ったりせず、みんな揃って見えるように練習しています。

現在の部内の雰囲気はいかがですか?

中学生と高校生の仲が良いです。高校生になるとすでに高度な演奏力をつけていますので、高校生が中学生の指導にあたることもあるんです。そうやって先輩と後輩がふれ合い、自然に仲良くなります。練習の空き時間などには、中学生に勉強を教える高校生の姿もよく見かけます。

先生はハンドベル部をどのような部にしたいとお考えですか?

何かやらなければいけないから無理に参加するというような消極的な姿勢ではなく、自分から進んで楽しんで参加できるクラブでありたいと思っています。ですから、たとえば、クラブを休むときにはきちんと事前に連絡をするなど最低限のことが守られていれば、あとはあまり厳しいことは言いません。自分が前向きな気持ちで参加できれば、部員に会ったときの挨拶も気持ち良くできるし、向上心を持って練習に向かうこともできます。それこそが、本人にとっても、部員の仲間にとっても良いことだからです。

いよいよ12月ですね。練習はいかがですか?

学院祭が終わった9月から、クリスマスに向けた練習を続けています。演奏する場所に合わせて曲も変えていますので、レパートリーはだいたい20曲くらい。最近ではありがたいことに演奏の機会も増えてきています。そのため、今まで以上に技術と意識の向上に努めて練習に取り組んでいます。音の乱れをなくすなど演奏の精度を上げることはもちろん、曲の意味もしっかり理解したうえで演奏するようにしています。

演奏会へ向かう生徒たちへ伝えたいことは?

相手に聞いてもらうために今まで練習してきたのですから、自分たちだけで満足せずに、相手に対する「聞いてくださったことへの感謝」を大切に演奏してほしいと思います。

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