立候補するとき、生徒会長になって
実現したいと考えていたことはなんですか?
外から見る賢明のイメージは、「お嬢様」とか「ちょっと堅い」とか言われることもありますが、私はみんなと仲良くワイワイ楽しみたいタイプなので、いろんな学校と積極的にどんどん交流しようと考えていました。交流を通して相手の学校のことを知れば、相手の学校に対するイメージも変わります。また、相手の学校で実施している「いいな」と思う取り組みを、自分の学校に取り入れることもできます。
学内ではどんな改革を考えていましたか?
先輩と後輩の交流を、もっと活発にすることです。クラブに入っている生徒は先輩・後輩の交流が盛んで仲良しなのですが、クラブに入っていない生徒は知り合いの先輩も少ないんです。先輩は自分たちより先に行事や受験などを経験しているので、後輩にとって役立つ情報をいっぱい持っています。それをみんなで共有したいと思いました。
選挙演説では友だちのサポートがあったそうですね。
私はコーラス部に入っているので、人前で歌うのは慣れているのですが、人前で演説となると足がガクガク震えてしまって…。だから前もってESS部の友だちに、「笑顔で身振り手振りをつけてしゃべる演説の仕方」を教えてもらいました。そして、何度も練習して、演説内容も完ぺきに暗記して本番に挑みました。みんなの助けのおかげで生徒会長になれたんです。
任期中で印象深かったことは、どんなことですか?
私が生徒会長になってまだ初めの頃のことです。実は、私は人に仕事をお願いするのが苦手で、生徒会として発信する書類を、全部ひとりで作ってしまっていたんです。本来なら、お互いに頼ったり、頼られたりするのが、生徒会がうまく機能している状態なのですが、それができておらず、生徒会のメンバー同士のまとまりも良くありませんでした。そんなとき、私の様子を見かねた母から「そんなことしていたら壊れるよ」とひとこと。「人にお願いすること」から逃げていた自分に気がつきました。それ以後は、メンバーみんなに仕事を分担してやってもらうようになりました。実際に仕事をお願いしてみると、相手も「信頼して任せてもらっている」と感じてくれて、チームワークはどんどん良くなっていきました。
お母様のサポートも大きいんですね。
母はいつも私を支えてくれます。何事にも中途半端なことが嫌いで、子どもの頃からずっと「あなたの好きなことは全部やらせてあげるから、何でも全力でやりなさい」と言われて育ちました。この学校でも「The bestの精神を尽くして…」とよく言われるのですが、これまでも母から言われてきたことなので、自分の中にその言葉がスムーズに入ってきます。
もうすぐ1年の任期も終わりますが、振り返ってみていかがですか?
これまで参加する側だった行事を企画・準備する立場になり、初めてその大変さがわかりました。それと同時に成功したときの喜びも知りました。周りから「ありがとう」「よかったよ」と言ってもらえると、本当にうれしくて「次もがんばろう!」と思えます。当初実現したいと考えていた他校との交流も進んでいます。夏休みには近隣の4校合同で、東日本大震災の被災地宮城県でボランティアを実施。年末にはお隣の淳心学院と夢前川の清掃をおこないました。新しいことをいっぱい経験しながら、「もっと良くするにはどうしたらいいんだろう」と工夫し続けた毎日。自分を見つめ直すことができ、私にとってとても貴重な1年間になりました。