the Best03 自分に自信を持てたことが何よりの収穫。萩原 七恵

無難な道を選びがちな私に、本気でがんばることを
教えてくれたのは賢明の先生でした。

現在は賢明で英語科の教師をしていますが、もともとは私も賢明生。中学から賢明に通っていました。実は私の家はお寺なのですが(笑)。学校生活で思い出深いのは、高2・高3で担任をしていただいた志水先生。最初は、おもしろそうな先生だなという印象でした。当時私は自分に自信がなく、進路も「行けるところに入れたらいいや」と考えていました。しかし、高2の三者面談のとき、自分には考えられないような高いレベルの大学を、「がんばってみたら」と勧めてもらって、最初は絶対無理だと感じましたし、母も私も冗談かと思ったほどでした。

「自分が思うとおりにやればいい」。
先生にそう言われて、自分に自信が持てました。

志水先生はもちろん本気でした。私の学力はもっと伸びると考え、「その大学に向けてがんばる価値はあるし、あなたはがんばる価値のある人間よ」と言ってくれました。その後も私が弱気になるたびに「思うようにやったらええねん」「そんなん、どないかなるわー!」と励まされ、次第に本気でがんばれるようになりました。こうして私は少しずつ、自分に自信を持てるようになったんです。今、私が賢明で教師をしているのも、先生が私にくれた温かさと同じ温かさを、現在の中学・高校の生徒にも伝えていきたいと思ったためです。

部活動の体験を通して、生徒たちには
困難に立ち向かう力を身につけてほしいです。

私は今、平尾先生と二人でバレーボール部の顧問をしています。部員たちは、自分で目標を決め、それに向かってすべきことを考え、練習に励んでいます。どんなに練習をしてもなかなか成果が出ないことや、うまくいかず悔しい思いをすることもしばしば。私自身、在学中はバレーボール部でセッターを担当。上手なトスがあげられず、よく自主練をやりました。部活動でのそんな経験は、「受験期間を踏ん張り続ける力」や「目標に向かってがんばる力」につながります。そして、社会人となり人生の困難にぶつかったときにも、乗り越える力になるのです。

Profile

萩原 七恵

賢明女子学院中学校・高等学校の英語科教師。バレーボール部の顧問。将来の目標を教師と定めたときには、「こんなあったかい先生方と一緒に働けたら、おもしろそうだな」と思ったという。高校時代、志水先生が「先生は多少バカじゃないとあかんのや」と言うのを聞いて、違和感を覚えた。しかし、今となってみるとあの言葉は、「生徒が失敗をしないように、先生があれこれ先回りをして指示をするのはNG。生徒が自主的に考えるまで、気づかないふりをして、待つことも先生の役目」という意味だと理解できた。自分も「わかっているけど言わない」など、気持ちにゆとりを持てる先生でありたいと考えている。

  • PERSON LIST