the best05 自分を高める努力は大切。でも、それだけではダメだと気づかせてくれた賢明での日々。吉岡 麻衣

賢明で過ごした中学・高校時代は、
少林寺拳法部に所属。
相手のことを考える習慣が身につきました。

リヴィエ館前のロビーは、私にとって思い出深い場所。少林寺拳法部の練習をいつもここでやっていました。当時の部員は60人ほどと多かったので、ロビーだけでは収まらず、中庭まで溢れていましたけど(笑)。少林寺拳法には、1人で行う「単独演武」、2人で行う「組演武」、6もしくは8人で行う「団体演武」があります。2人以上で行うときには必ず相手がいるわけで、演武がきちんとかみ合うよう、お互いの様子を把握する必要があります。練習を通して、自分ばかりに意識を向けるのではなく、自分のことと相手のことの両方を考える姿勢が身につきました。

全国大会の弁論の部で4位に。
そこで語ったのは、
周りの人々の思いが
今の自分をつくり上げていること。

人数が多い部活だったので、大会に出られるのは選抜メンバーのみ。絶対に大会に出たいと、日ごろから真剣に練習に取り組みました。うれしいことに私は大会へ出場できたのですが、そのとき考えたのは、一緒に練習に励んでいたのに大会に出られなかったり、やむをえず部活をやめていったりした仲間のこと。ともに過ごす中で、切磋琢磨し、悔しい思いを味わい、相手の思いを受け取った経験が、今の自分をつくっていることに気づいたのです。「演武」と「弁論の部」がある少林寺拳法の大会。「弁論の部」では私の気づきを発表し、4位をいただきました。

文章を読むことは、
いろんな人の考えにふれること。
自分を深めてくれるものだと感じています。

大学卒業後、賢明で国語の教員となり、現在7年目。授業では、生徒たちに国語のおもしろさを伝えていきたいと考えています。文章は、ひとつの言葉、ひとつの文のつながりで、相手を涙させることもできる。私は文章を読むことは、人と話をしているのと同じだと思います。実際には出会えない人とも出会えて、考えにふれることができます。かつて読んだ文章も、自分の状況が変われば、受け取り方が変わるのもおもしろい。ただ、それを独りよがりに生徒に押しつけてはダメ。大切なのは生徒の目線に近づき、気持ちを汲み取ることだと思っています。

Profile

𠮷岡 麻衣

賢明女子学院中学校・高等学校の国語科教師。演劇部の顧問。少林寺拳法2段。小学6年生のとき、賢明の学院祭で見た演劇部の舞台が素晴らしく、「入学後は演劇部に入ろう!」と決めていた。しかし、中1のクラブ見学のとき、演劇部へ向かう道すがら練習をしていたのが少林寺拳法部。道着を着た先輩方の凛とした姿がかっこよく、そのまま入部した。現在は、最初に憧れていた演劇部の顧問を担当。国語科の教師ということもあり、見る人に自分たちの思いを伝える部活にかかわっている。

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