賢明は英語教育に力を入れている学校です。まわりの友だちも英語の勉強をがんばっているし、クラスメイトに帰国子女やハーフの子もいました。それで、自然と私も英語に興味を持つように。オーストラリアへの留学は、私にとって初めての海外渡航でもあったので、すべてが新鮮に映りました。一番びっくりしたのは、ホームステイ先で食器を洗剤で洗った後、洗い流さないこと。水がとても貴重なので、泡を拭きとるだけなのです。生活スタイル一つをとってみても、実際に行ってみなければわからないことがたくさんあることを実感。この留学がきっかけで、何でもまずやってみることの大切さを理解しました。
留学から戻ってきたのは、高2の1月。1学年上の先輩方がセンター試験を間近に控え、クラスもすでに受験ムードでした。私は勉強も1年分遅れているし、夏に行われた大学のオープンキャンパスにも行けていなかったので、気持ちが焦っていました。そんなとき図書館館長の梶浦先生から、本のプレゼントをいただきました。渡辺和子さんの『置かれた場所で咲きなさい』。進路のことで悩んでいた私へのメッセージでした。みんなで勉強したり、大好きな小説を借りたり、毎日のように通った図書館は思い出の場所です。
私は今、大学で教師になるための勉強をしています。憧れは、やはりこの学校の先生。今でも印象に残っているのは、高校時代、進路を決めるときに担任の平川先生からもらったアドバイスです。「志望校は、ただ“〇〇大学へ行きたい”と決めるのではなく、自分が学びたいことを明確にして、それができる大学を選びなさい」と言われました。そして、私の性格や将来の夢も理解したうえで、私にぴったりな大学を一緒に探してくださいました。いつも私のベストをとことん考えてくれる先生。私も将来は、生徒とこのような信頼関係を築ける先生になりたいと思っています。