賢明では、学校にお菓子を持ってくるのは禁止されています。でも、私には忘れられないお菓子があります。それは、高3のとき日本史を担当してくださった平尾先生からいただいたもの。受験直前に生徒一人ひとりに、キットカットと5円チョコと大宰府の鉛筆を手渡してくれたのです。キットカットには、それぞれの生徒に宛てたメッセージも書かれていました。普段からいつも生徒のためを考えてくれる先生の思いが詰まったお菓子。写メをとり携帯の待ち受けにして、それを見ながら最後まで前向きに受験をがんばることができました。
現在、私は大学の文学部に在籍し、日本史や古典文学を学んでいます。歴史あるキリスト教主義の大学で、校風も賢明と似ていてとても気に入っています。でも実は、この大学は私の第一志望ではありませんでした。第一志望の入試に落ちたとき、私はひたすら泣くだけで、どうしていいかわからなくなっていました。先生は、そんな私をすっと抱きしめて「第一志望に合格することだけが、唯一の道じゃないよ」と言ってくださったのです。その後、私は現在の大学に進学。たくさんの友だちに囲まれて、高校時代から憧れていた楽しい毎日を過ごしています。
中学から賢明に入学し、友だちが「ハンドベル部に入る」と言ったから、「じゃ、私も!」と、軽い気持ちで入部しました。その後、引退まで5年間も続けて来られたのは、やはりハンドベルが好きだったから。独特な音色が好き、そして、一人では演奏できないことも魅力です。最上級生の高2では、練習メニューを考えるなど部員を引っ張る大変さも経験。試行錯誤しながら一生懸命に練習し、老人ホームや病院、ショッピングモールなどで演奏をさせてもらいました。「みんなで一つの音楽をつくる」、それはハンドベルだからこそ味わえる大きな喜びだと思います。