the best10 谷 佳奈 伝統ある茶道からはじまる異文化交流。

外国人にも人気の「抹茶」。
茶道を通して国際交流をしています。

毎年10月に開催される「ひめじ国際交流フェスティバル」は、私が所属する茶道部の大きなイベントのひとつです。大手前公園に各国のブースが出され、その中の日本ブースで抹茶をふるまいます。中3のとき、このイベントで大勢の外国人を前にお点前を披露しました。夏休み中ずっと練習をして、準備万端で当日を迎えましたが、本番はすごく緊張。普段ほどスムーズにはできませんでした。それでも、外国人の方々は私が点てたお茶を「It looked beautiful.」「It tasted good.」と言ってくれました。日本の良さをわかってもらえた気がして、うれしかったです。

後輩を教えることで自分も学び、
先輩からは少し先の未来を教わります。

新入生がきちんとお作法を学べるよう、部活の最高学年の高2がマンツーマンで指導をしています。私が中1のとき、先輩が「水指の蓋を開けるときは、右手で7時のところを持って、次に左手で10時のところを持って、置いてね」と言ってくれたのが、とてもわかりやすかったんです。それで高2になった今、後輩にそのまま同じ言葉で教えています。後輩に教えることで、自分の中でもお作法の整理ができました。毎年の学院祭は、卒業した先輩も集まる機会。「自分の大学はこんな感じやで」と話を聞くことができ、未来の希望がふくらみます。

「公式、覚える必要ないよー」と先生。
それは、公式の根本を理解しているからです。

将来の夢は建築家です。父が建築家で、子どものころから現場へ連れて行ってもらい、憧れていました。大学は、工学部か建築学部に進みたいと考えています。理系に進学を希望していますが、実は数学はどちらかというと苦手なタイプでした。そんな私に数学のおもしろさを教えてくれたのが、数学科の能瀬先生です。先生は、単に公式を生徒に覚えさせるのではなく、公式の成り立ちから説明してくれます。理屈をわかって公式を使えるようになり、今では苦手を克服。きちんと理解して問題を解いている達成感も、味わえるようになりました。

Profile

谷 佳奈

賢明女子学院高等学校2年生。茶道部部長。部長を務めていることもあり、放課後はすぐに茶道室へ。普段、教室ではクラスメイトとワイワイ騒いでいるが、茶道室でお茶を点てるときは無心。静かに過ごせる落ち着く時間となっている。入部のきっかけは、家族ぐるみで仲良くしている外国人の友だちに、日本の文化を伝えたかったから。その友だちとはLINEでつながっており、学校や部活のことなど、お互いの文化の違いで盛り上がるという。

  • PERSON LIST