大塚製薬株式会社
有本 江里 さん
いつもふとした
瞬間に思い出す
「継続は力なり」の
横断幕
高3の5月にテニス部を引退するまでは、部活が学校生活の中心だと胸を張って言えるほど、部活漬けの毎日でした。平日は朝夕の部活と、部活後も一人で素振りを続け、土日はみんなで市内のテニスコートを借りて、真っ黒に日焼けしながら練習に励みました。こんなにも熱中していた理由は、テニス自体も部活の仲間も大好きで、上手になりたい一心からでした。硬式テニス部のモットーは「継続は力なり」。学校のテニスコートにこの言葉が書かれた横断幕がかかっており、今もふとした瞬間にその横断幕の映像が頭に浮かびます。大きな試合でいい結果を残したわけではありませんが、がんばることを継続する癖がついたのは部活のおかげだと感じます。
がんばっても、
失敗することもある
でもだからこそ、
後悔がないよう
がんばりたい
部活引退後は、気持ちを切り替えて受験に集中。とことんやると決め、毎日10時間は勉強しました。しかし結果的には、第一志望の大学は不合格。「どれだけがんばっても失敗することがある」と学びました。ただ、だからこそ、「後悔を残さないよう、何事にもベストを尽くしてがんばる」、そんな考えが私のなかに根づきました。
いつの日か
新薬を生み出すため
限界を決めず、研究に没頭
現在は、製薬会社で中枢神経疾患をターゲットとした創薬研究に取り組んでいます。きっかけは、大学時代に見た筋ジストロフィーを取り扱ったテレビCMです。病気を知って衝撃を受け、すぐに研究が可能なラボを片っ端から調べました。そしてとくに興味を持ったiPS細胞研究所の櫻井先生にアポをとってお話を聞き、先生のもとで研究するため大学院へ進学しました。研究生活は非常に有意義で、患者様やご家族から聞いた「治療法が開発されることが心待ちです」などのお声が、今の仕事の原動力となっています。未だ治療法のない疾患をお持ちの患者様へ、一日でも早く薬を届けられるよう、日々研究に没頭しています。
テニス一色の毎日を
ともに過ごした
かけがえのない仲間
テニス部の仲間と卒業式の日に撮影した写真です。決して強かったわけではありませんが、毎日の練習は私にとって大切な思い出。先輩に憧れ、仲間と切磋琢磨し、ときにはぶつかったあの日々は、今も私のなかで輝いています。
2015年卒業。徳島大学工学部を経て、京都大学大学院医学研究科に進学。現在は大塚製薬株式会社にて、中枢神経疾患を対象とした創薬研究に携わる。