賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2023/09/01

2023年度2学期始業式

おはようございます。2学期が始まりました。

今年の夏も本当に暑い毎日でしたが、充実した毎日を過ごせましたか?

1学期の終業式で、夏休みに大切にしてほしい事として、車のハンドル操作に例えて、アクセルとブレーキのバランスのことを話しましたが、上手に操作することが出来ましたか。みんなのことだから、多分上手にコントロール出来たでしょう。それぞれに、この夏休み中に得たものを活かして2学期に繋げてほしいと願っています。

さて、2学期にあたって、私は学校の目標を考えました。大目標は『人と人との関わり深くしてほしい』と云うことです。人と人の関わりの第1歩は「挨拶」です。2週間前の全校登校日でも伝えたように、1学期より2学期へ、挨拶をレベルアップさせましょう。校内ではもちろんですが、地域の中でも実践してください。素敵な笑顔の賢明生です。

その次はいろいろな人と人との関わりを持つ為に、「人間力を高める」です。2学期は「自分で考える」、「自主的に動く」、「友達と協力、協働する」、など、様々な「行事」を通して皆さんが一人一人成長していく上で、とても大切なことを学ぶ機会が、多くあります。学院祭、校内弁論大会、体育大会、修学旅行、ピクニック、合唱コンクール、クリスマス行事、宗教行事・・・など。そういう行事を通して、自分自身を見つめ、成長させていくのが、この2学期の目標です。

この夏の全国高校野球選手権大会で107年ぶりに慶応高校野球部が日本一になりましたが、朝日新聞に、その慶応の主将、大村昊澄(そらと)君の「人間力」についての記事が掲載されていました。

『神奈川県大会直前、練習前のグランドで、一人、汗をかきながら草むしりする人影があった。近づいて挨拶すると笑顔で返事を返してくれた。主将の大村君だった。大会直前は苦しい日々だった。テスト期間で練習時間は限られ、体調不良者が続出した。大村君自身も足首を痛めた。テーピングを巻いて足を少し引きずりながら歩いていた。そんな中だからこそ、見せたい姿があった。「日本一の主将」になると。

新チーム結成後、部員の投票で主将に選ばれた。身長163センチの小柄な二塁手。スタメンで出場していたわけではない。監督からは「ベンチで支えるキャプテンになれ」とも言われた。そんな自分がどんな主将を目指すべきか。明確な目標があった。

小学6年生の時、夏の甲子園を観戦した。身長168センチ、大阪桐蔭主将の福井省吾さんが放った本塁打に目を奪われた。「小さくても打てるんだ」小さな体に希望を与えてくれた。高校1年の6月、先輩の紹介で福井さんに会うことができた。大阪桐蔭で選抜制覇、夏は仙台育英の前にサヨナラで敗れたが、進学した慶応大でも主将として、全日本大学選手権を制した憧れの人は想像したとおりの人だった。初めて会う後輩の自分に、低姿勢に挨拶してくれた。謙虚な姿勢に「日本一の主将は『人間力』なんだ」と実感した。昨秋の関東大会で敗退し、寮に帰った大村君は帽子のつばの裏に「日本一の主将」と書いた。ここで書かなければと自然とペンを持っていた。だが選抜は仙台育英に敗戦。慶応は初戦で姿を消した。春季県大会では個人成績が振るわず、先発出場を逃す日々が続いた。選抜への出場でチームは浮足立ち、雰囲気も悪かった。「うまくいかない」涙が溢れた日々だった。だが自分が暗い姿を見せていたからではないかと気づいた。結果を残せず今まで言っていたことが言えなくなっていた。このままではダメだと私生活から改めた。「周りよりも努力を」と自分に言い聞かせた。

選抜で気づかされたことも多かった。冬の期間は「新しい高校野球の姿を見せたい」と何度も口にしてきた。だが「結果が伴わないと意味がない」と身をもって感じた。そして日本一のレベルも体感できた。全国レベルの選手陣からどう点を取るか、打ち返すか目標がはっきりした。だからこそ、この夏、甲子園に乗り込んでからも仲間に厳しい言葉をかけ続けた。「このままじゃダメだ」「目指すところは日本一だろ」プレーでも主将の姿を見せた。

試合後の取材で、いつも「まだまだ仲間に助けてもらっている」と話していた大村君に決勝前日「日本一の主将になれそうですか」と尋ねると初めて手ごたえを覗かせた。

「日本一まであと少しのところに来ている。勝利のために、チームのためにやれることをすべてやり切った時、日本一の主将に手が届くのかな」チームは「KEIO 日本一」を掲げて仙台育英に挑み107年ぶりの2度目の優勝を成し遂げた。試合後大村君は日本一になったチームの主将としてインタビューを受け、語った。

「日本一とか、高校野球を変えたいとか大きなことを言ってきて、笑われることもあった。それに耐えて、絶対日本一になってやるんだという強い思いでやってきた。報われた瞬間だった」

新聞記事はこう書かれていましたが、私がさらに感動したのは、負けた仙台育英の須江航(すえわたる)監督の言葉で、相手の慶応高校のことを「取り組みも秀逸で選手の技術もフィジカルもあって、エンジョイベースボールが真髄だと思うが、楽しむために、一生懸命やろうよという下地があった。その上で思考力が高い。このチームに負けるのなら仕方がないというか、勝者にふさわしいなと思った。とコメントを発表されていたことです。

この2学期、皆さんも、様々な行事を通じて、学ぶことの出来る力、前に踏み出す力(アクション)、考え抜く力(シンキング)、チームで働く力(チームワーク)など、自分自身が学び、成長することで、人間力を磨いていきましょう。

できることを、できる限りやり抜いて、充実した2学期にしましょう。

 

 

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