賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2023/09/11

アンパンマンのように

アンパンマンのことは皆さんもよく知っていますよね。

私は毎朝5時半に起きて朝食を取りますが、毎週土曜日のその時間に、アンパンマンが放送されているので、たまに、大好きな本物のアンパンを食べながら見ることがあります。

アンパンマンは、やなせたかしさんが生み出した、日本で最も有名なキャラクターの一つです。みんなの中にも小さいころに、テレビや絵本、映画などでずいぶんお世話になった人がいるかもしれませんね。説明するまでもないと思いますが、知らない人のために説明します。アンパンマンは顔がアンパンでできているヒーローで、困っている人やお腹が空いている人に自分の顔を食べさせてあげます。作者のやなせたかしさんは、「強いからヒーローなんじゃない、喜ばせるからヒーローなんだ。」と言っています。そして、幼児に絶大な人気を誇るアンパンマンを「世界最弱のヒーロー」と呼んでいます。

アンパンでできた顔が濡れたり、形が変わったりするとパワーが出なくなり、ジャムおじさんから新しい顔をもらわないと戦えません。そして、折角新しい顔をもらってもまた、弱っている人と出会うとアンパンでできた自分の顔をちぎって差し出してしまいます。自分が弱るとわかっていても、助けずにはいられないのです。アンパンマンの作者、やなせたかしさんはクリスチャンだったのではないかと言われているので、アンパンマンのモデルは実はイエスキリストだったのかもしれません。イエスキリストは自分の命を捧げて人々に新しい命を与えます。同様にアンパンマンも自分の顔を与えて人々に力を与えます。アンパンマンのキャラクターには、自分以外の人のために自分自身を捧げられることが正義であり、本当に強いヒーローであるというメッセージが込められているのです。

アンパンマンの映画には「いのちの星のドーリイ」という作品があります。簡単にあらすじを言います。

持ち主からひどい目にあって捨てられてしまったお人形のドーリイは、アンパンマンに救われて「いのちの星」が宿り、動けるようになりました。この「いのちの星」というのは命を宿すことのできる不思議な星のことです。

「いのちの星」が宿ったドーリイは、好き勝手に生き始めます。人生は、自分だけが楽しんだらいいと思ってやりたい放題、我儘をするのです。しかし、最初は楽しかったものの、だんだんみんなと中違いして、「いのちの星」も輝きを失っていきました。そんな時アンパンマンは言います。「困っている人を助けたとき、心が温かくなって、その時わかったんだ。僕が何のために生まれてきたのか、何が僕の幸せか」と云うことが。

その話を聞いてもドーリイは心を動かされませんでした。

そんな時、突然バイキンマンロボットが大暴れし始めて、ドーリイを襲いました。アンパンマンは身を挺してドーリイを助けます。そしてドーリイを守って命を落としてしまうのです。ドーリイはそこでやっと、アンパンマンが言っていたこと、自分が生まれてきた意味に気付くのです。でもアンパンマンは不死身です。最後にはアンパンマンも生き返り、元のように元気になります。(映画ですからね、何でもできるのですね)

 

今、学院祭実行委員会のみんなを中心に、学院祭に向けてクラブや学年などの準備を進めていますね。今週末までに最高の状態にもって行けるよう頑張って下さい。学院祭にはお家の方や外部のお客様等、たくさんの人たちが来てくださいます。今年からは、コロナ禍の時のように人数制限もしていませんので、以前のように多くの方々が来校されるでしょう。

忘れてはならないのは、お客様を迎える心です。ドーリイのように、自分たちだけが楽しめばいいや、私たちだけが参加したらいいよね、ではありません。来て下さった方に気持ちよく過ごしてもらうためにはどうしたらいいかを考えてください。そのうえで私たちも来客の方々と一緒に楽しめるよう、十分な準備をして、学院祭を迎えて下さい。皆さん、一人一人がアンパンマンになれるチャンスがあります。自分の才能、情熱、思いやりなどを、お客様と分かち合えるよう工夫すること、それはアンパンマンが自分の顔を食べさせることに似ています。アンパンマンが大切な自分の一部分をおしげなく差し出すように、些細なことにも心を込め、献身的に尽くすことができれば、人々の心に温かな光が灯るでしょう。アンパンマンの話は「燈台の光のような人になる、という」賢明のスクールモットーにも通じますね。

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