

2025/12/22
今日で2学期を終え、今年も残すところあとわずかとなりました。3学期に向けて、今年を振り返ってみましょう。
2025年1月1日は、能登半島地震から1年、17日には阪神・淡路大震災から30年。3月には東日本大震災から14年を迎え、「いのちを守る」という当たり前のことを、改めて胸に刻む1年の始まりでした。4月、世界中が注目する大阪・関西万博が開幕し、「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマのもと、未来の医療、AI、環境技術など、これからの世界を形づくるアイデア、世界先端の科学技術が大阪に結集しました。皆さんの中にも、実際に会場を訪れた人がいると思います。8月、広島・長崎の原爆投下から80年、そして終戦から80年という大きな節目を迎えました。平和の大切さを改めて考える機会となり、「今、私たちにできることは何か」を問い直す夏でした。
世界に目を向けると、ウクライナや中東での緊張が続いていて、平和の実現がいかに難しく、そして大切であるかを改めて感じる1年でした。私たちが日々の生活を安心して送れることは、当たり前ではなく、とても幸せなことなのです。だからこそ、互いを思いやり、平和を持続すべく調和の心を失わず、広く世界に伝えねばなりません。こうして1年を振り返ると、世界でも日本でもさまざまな出来事がありました。
さて、土曜日に行われたクリスマスタブローはとても感動しました。高1中心に、午前は全員でまきびとを歌い、午後は高3、中3も合唱し、賢明が一つになる瞬間を感じました。今日は間もなく迎えるクリスマスにちなんで、一つの物語を紹介したいと思います。それは、チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』という作品です。この物語の主人公は、スクルージという老人です。彼はお金にしか興味がなく、人に冷たく、心を閉ざしていました。クリスマスの喜びも、人との繋がりも拒み、孤独に生きていたのです。
ところがあるクリスマスの夜、スクルージの前に3人の幽霊が現れます。
1人目は「過去のクリスマスの幽霊」。スクルージの幼い頃や若い頃を見せ、かつては純粋で優しかった自分を思い出させます。2人目は「現在のクリスマスの幽霊」。人々が家族や仲間と過ごし、ささやかな幸せを分かち合う姿を見せます。3人目は「未来のクリスマスの幽霊」。孤独に死を迎え、誰からも惜しまれない自分の姿を突きつけます。
この体験を通して、スクルージは心を揺さぶられます。自分の生き方を振り返り、変わらなければならないと悟るのです。そして翌朝、彼は人に優しく、温かい心を持つ人間へと生まれ変わります。人々に喜びを分かち合い、周囲を幸せにする存在となったのです。
この物語が伝えているのは、「人はいつでも心を変えることができる」という希望です。過去にどんな選択をしてきたとしても、未来をどう歩むかは自分次第。小さな勇気と決意があれば、人は新しい自分になれるのです。
さて、皆さんの2学期を振り返ってみましょう。
授業やクラブ活動、賢明祭や体育祭、スポーツフェスティバル、様々な場面で、それぞれがそれぞれに努力し、仲間と支え合い、歩んできました。もしかすると、思うようにいかなかったこともあったかもしれません。けれども、その経験は必ず未来の自分を形づくる力となりました。スクルージが過去を振り返り、そこから学んだように、皆さんもこの2学期を振り返ることで、次の1歩をより確かなものにできるでしょう。
『クリスマス・キャロル』にはもう一つ大切なメッセージがあります。
それは「人との繋がりが、人生を豊かにする」ということです。スクルージは孤独の中で、心を閉ざしていましたが、人々の温かさに触れることによって心が開きました。皆さんも、友達や先生、家族との繋がりの中で、自分の成長を感じていますね。誰かの励ましや笑顔に支えられて、安心した経験のある人も多いでしょう。そんなあなたもまた、誰かを支える光になっているのです。
クリスマスツリーの飾りは、一つひとつは小さな光ですが、集まることで全体を美しく輝かせます。皆さんの努力や優しさも同じです。小さな光が集まって、学校全体を照らす大きな輝きになるのです。スクルージが心を変えて人々に喜びを分かち合ったように、皆さんも自分の光を仲間と分かち合い、照らし合いながら歩んでほしいと願います。
新しい年を迎えるにあたり、自分の「未来の姿」を思い描いてみましょう。スクルージが未来の自分を見て心を変えたように、皆さんも「こうありたい」という未来像を持つことが大切です。未来はまだ白紙です。どんな色で描くかは、皆さん次第です。目の前の小さな光を大切にしながら、仲間とともに未来を照らし、歩み続けてください。
『クリスマス・キャロル』の結末は・・・スクルージは心を変え、人々に愛される存在となりました。彼の人生は、温かさと希望に満ちたものへと変わったのです。皆さんもまた、これからの歩みの中で、周囲を照らす光となれるのです。
最後に、高校3年生にメッセージを送ります。今からが大事な挑戦、勝負の時です。積み重ねた地道な努力が必ずあなたに良い結果をもたらすでしょう。自分を信じてラストスパートです。
それでは、どうぞ良いクリスマスを迎え、そして新しい年を希望と共に歩んでください。