賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2026/07/18

2026年度1学期終業式

「挨拶は心の光」

4月7日の始業式からスタートした1学期も、今日、こうして無事に終業式を迎えることができました。振り返ってみると、あっという間の3か月でした。皆さんは一日一日を大切に過ごし、貴重な経験を積み重ね、多くのことを学んだことでしょう。

始業式では、今年度の聖書の言葉として、マタイによる福音書5章13〜16節「あなたがたは地の塩である」「あなたがたは世の光である」という言葉を紹介しました。塩はそれ自体が目立つものではありません。けれども、料理に溶け込み、味を引き立て、ものを腐らせないように守ります。光もまた、自分のために輝くのでのではなく、周りを照らし、人が歩む道を照らします。

創立75周年という大きな節目を迎えたこの一年、皆さん一人ひとりが自分の中にある光を信じ、光を受け止め、発する光を周りの人と分かち合ってほしいと伝えました。75年という、長い歳月は、これまでの多くの先輩たちが、一人ひとりの小さな光を灯し続けた、その積み重ねで成り立っているのです。

「あなたがたは世の光である」。この言葉を皆さんは、1学期、日々の生活の中でしっかりと実践してくれました。あなた達の日常を見守りながら私が本当に嬉しく思ったことがあります。それは、「世界と未来をつなぐ、心のこもった挨拶ができる賢明生」という今年度の目標を、自分から進んで実践していたことです。

朝、校門で、廊下で、教室で。先生や友だちの姿を見つけると、皆さんの方から先に「おはようございます」と声をかけてくれる場面を、多く見かけました。挨拶はたった一言、たった1秒でできることですが、そこには「あなたを大切に思っています」というやさしい心が篭ります。誰かに言われたからではなく、相手を感じ、相手を思う心から自ずと挨拶が生れる。そんな小さな思いやりが賢明の朝を清々しくし、学校全体が明るく温かい空気に包まれるのです。私の目に、皆さん一人ひとりが、自分の内なる光を発し、周りの人と一つに輝く姿が見えて、美しく、尊く思えたのです。

一本のろうそくの火を隣のろうそくに分けても、最初の火が小さくなることはありません。それどころか、火を分ければ分けるほど、部屋全体はより明るくなっていきます。暗い部屋に、一つ、また一つと灯りが増えていくと私達は初めて、自分がどこに立っているのか、隣に誰がいるのかを、はっきりと見極めることができるのです。

挨拶も同じです。自分から声をかけても、自分の心が減ることはなく、むしろ心が豊かになるでしょう。あなたの挨拶を受け取った人が、別の誰かに挨拶を投げかけて光を繋いでいく。「挨拶は心の光」挨拶という小さな光が心を照らし、次々と受け渡されて光の輪となり、学校中を明るく照らし続けて、決して消えることのない永遠の灯となるのです。

皆さんがこの1学期に見せてくれた挨拶の輪も命の光となり、静かに広がっていきました。誰かが燈した命のきらめきが光の輪となって学校中に満ちて輝く、それこそが、75年という歴史を持つ賢明が、これまで大切に守り、受け継いできた「光のかたち」なのです。

さて、この1学期は、それぞれの学年で異なる歩みがあったと思います。中学1年生は、4月にそれぞれの小学校を卒業して、賢明女子学院の生徒として新しい一歩を踏み出しました。教科ごとに先生が変わること、移動教室、新しいクラスメートとの出会い等、初めての経験で、戸惑うことも多かったことでしょう。入学当初は緊張した表情も見られましたが、1学期を過ごすうちに、少しずつ学校生活に慣れ、休み時間の笑顔や、挨拶をする姿に自分らしさが現れ、賢明生らしくなってきたように感じました。一つひとつの挨拶で心を結び、学校中の皆が一つになっていく。慎ましく、極自然な行いによって実現する協調の輪が生れます。皆さんは中学生活のスタート、1学期を、心を込めてとても丁寧に歩んでくれました。

最上級生の高校3年生は、いよいよ受験生としての本格的な夏を迎えます。これまで積み重ねてきた学びやクラブ活動、学校行事の経験は皆さんの中に確かに根付いているはずです。この夏休みは進路実現に向けて、伸びるために大切な時間です。思うようにいかない日があってもめげず、前向きに進めば、創意工夫が沸き上がり、新たな躍進を生むでしょう。

異常気象による暑さは避けることができません。体調管理を怠らず、今の自分、今の現実を観極めて悔いのないよう、一日一日を大切に過ごし、目標に向かって全力を尽くしてください。

中学2年生は、後輩を迎え先輩を見つめる、橋渡しの学年としての自覚を促す1学期でした。中学3年生は、中学生活最後の1年をどう過ごすべきかを自分で考え、行動する姿が随所に見られました。高校1年生は新しい環境に、自分なりのペースでのぞみ、高校生としての、確かな一歩を踏み出しました。高校2年生は、賢明の中心になる学年として、クラブや生徒会、Be Leaders、賢明祭の準備など、様々な場面で、自覚を持って積極的に活躍してくれました。それぞれの学年が、それぞれの持ち場で、着実に歩みを進め、成果の見えた1学期だったと思います。

さて、明日から夏休みが始まります。長い休みだからこそ、心と身体と頭脳、それぞれに栄養を与える時間にしてほしいと思います。規則正しい生活を送ること、家族のお手伝いなど自分から進んで動き「心」を柔軟に働かせること、そして、本を読んだり新しいことに挑戦して脳に栄養を与えること。心と身体が整い頭脳が明晰であれば、ふだんの学校生活の中では気づかなかったような、様々な発見や出会いが生れ、この夏休みが楽しく、充実したものになるはずです。夏休みだからこそできることを見つけて、全力で取り組んでください。

事故や怪我なく、健康に気をつけて、充実した夏休みを過ごせますように。2学期、ひと回り成長した皆さんの笑顔と、元気な挨拶の声に、2学期会えることを楽しみにしています。

 

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