賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2024/06/04

山をのぼる

 おはようございます。

紫陽花の花が美しく咲く季節になりましたね。

先週、第1音楽室で授業をしていると、お隣の第2音楽室から、校歌を歌っている元気な声が聞こえてきました。中学1年生は今、校歌の3番、英語の歌詞を頑張って覚えているそうですね。間もなく暗記で、フルコーラス歌えるようになるでしょう。

過去にもお話ししたことがあると思いますが、賢明の校歌は、1952年に生まれました。原曲は、フランスのA.Larrieu(ラリュー)作曲の「Montez Toujours」(モンテ・トウジュール)、フランス語の題名を直訳すると、「絶えず登れ、絶えず上がる」です。この曲にのせて、創立当時の理事長と学院長を兼任された、Sr.フェクトが作詞された歌詞を、今、皆さんが歌っているのです。聖書の言葉、「わたしは道であり、真理であり、命である」「あなたがたは世の光である」が詩のテーマとなっています。曲想は力強く、歌う人の心に希望と勇気が沸き上がり、「絶えず登り続けなさい」と元気づけてくれるようです。Sr. フェクトはこの曲に「目の前の様々な問題を山登りをするように、一つ一つたゆまず登り続けなさい」と言うメッセージに祈りを込め、人間として生きる姿勢を解いておられるのです。

「人間」という言葉は、ギリシャ語で「アンスロポス」と言い、「上を見上げるもの、上を仰ぐもの」と言う意味なのです。古代ギリシャは西洋文明の始まりであり、西洋文明の礎ですから、「アンスロポス」の意味する人間の姿はキリスト教の天、神への祈りに通じます。

校歌は、ただ丸暗記して唄うのではなく、歌詞の意味をよく理解し、心を込めて歌わねばなりません。人間としてより良く生きる為に、天を仰ぎ「絶えず登り、絶えず上がる」。

世の光となることを目指して、豊かな心で力強く歌ってください。

 

校歌の歌詞「絶えず登れ、絶えず上がれ」を実践するために、あなた達の学校生活も山登りに例えてみましょう。山は上るほどに景色が美しくなり、登る苦労も忘れて楽しくなってきます。授業も山の景色と同じです。今まで知らなかったことを知り、今までできなかったことが出来るようになると、どんどん楽しくなりますね。未だ見ぬ世界を知って、新しい世界を発見すると、楽しさが増し、もっともっと新しいことを知りたくなるでしょう。眼の前に開ける景色を堪能して山を登り詰めると、その山の向こうに、また新しい山が見えてきます。

私たちが学校で学ぶ内容は既に誰かが登った山の景色を見ること、とも言えます。けれども、初めて学ぶ新しい知識は、初めて登る山の景色のように魅力的です。空の青さ、広さ、鳥のさえずり、野の花の美しさ、それぞれに異なる山の景色が心の糧となるように、山を登る苦労は、あなた方の心を開き、豊かな感性を育ててくれます。そして、同時に社会生活に役立つ多くの知識を身に着け、まだ誰も登ったことのない新しい山を発見する自在な感性と深い叡智をあなたに与えてくれるのです。

賢明で学び、暮らす日々、目の前に現れる新しい山に、臆せず登り続けましょう。山を一つ越えるごとにもっと高い山に登れる力がつき、見下ろす景色も広く清く、美しさを増して行きます。やがてあなたは、豊かな心と深い知識を身に着けた素敵な女性に成長している自分に気づくでしょう。それはあなたがた自身の手で新しい未来を開くことを意味します。

聖マリーリヴィエも、たくさんの困難を乗り越え、ご自分の目の前にある山を登り続けられました。賢明で学ぶあなた方は、聖マリー・リヴィエが登り詰め、極められた、その生き方の継承者です。校歌を作られたSr. フェクトが「過去は未来の保証人です」と言っておられます。1952年からたゆまず歌い継がれてきた私たちの校歌は創立者の思いが一杯につまった、かけがえなきものです。

1学期の終業式には、英語の歌詞を加えて3番まで全員で歌えますね。

 

毎日が山登りです。今日の山はどんな山でしょう、さあ、全力で爽やかに、あなたの山を登り切りましょう。

 

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