賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2024/09/30

賢明らしさ

明日から10月、朝晩が少し涼しくなりました。日暮れが早くなって、秋の訪れを感じる、いい季節になりましたね。

カトリック教会では、10月を「ロザリオの月」として、世界の平和のために、ロザリオのお祈りを捧げる習慣があります。「ロザリオ」はカトリック教会で使用されるお祈りのための道具で「バラの冠」という意味があることを知っていますね。ロザリオのお祈りが大好きであったマリア様が、ポルトガルのファチマという町に住む3人の子供の前に現れ、一緒にお祈りを捧げてくださいとお願いされたという話が伝えられています。

ロザリオという言葉を聞くたびに思い出すことがあります。私が皆さんと同じ賢明生のときのことです、当時の音楽の先生だったカナダ人のシスターが、「一緒にロザリオを創りましょう」と言って下さって、何人かのグループで作ったことがあります。薔薇の花びらをすり潰して接着剤を加え、手を真っ赤にしながら丸い小さな球をいくつも作りました。その球を乾かして、ネックレスのように繋げて、やっとのことでロザリオが完成したのです。そのとき、部屋中にやわらかな薔薇の香りが漂っていたことを、今もはっきり覚えています。そういえば、賢明の創立者、聖マリーリヴィエも何時もロザリオを腰に付けておられて、様々な困難に直面された時、マリア様に解決の取次ぎを願って祈っておられたそうです。

先日の朝のこと、聖堂から聖歌を歌う爽やかな声が聴こえてきて、とても清々しい気持ちになりました。宗教の時間だったようですが、静けさの中に響く、アカペラの清らかな歌声に、神様を感じることができた尊い時間でした。賢明の聖堂は丁度校内の真ん中の一番良い場所にあって、よく響くように作られていますね。

さて、皆さんは、カトリック学校で学ぶことの意味を考えたことがあるでしょうか。

今朝もそうですが、毎週月曜日は全校生徒がリヴィエ館に集まり、全員で主の祈りを唱え、朝礼、終礼、授業前、授業後、十字を切ってお祈りをしますね。宗教の時間には、聖書について学び、行事などには神父様のお話を伺って、生きていくうえでの大切なヒントをいただくことができます。祈りは神様と心を通わせる行為です。忙しい日常のわずかな時間でいいのです。心を鎮め、神に祈りをささげることによって自分自身を客観的に感じ取ることができるのです。

現代人は科学を信じて物事を進めますが、科学一辺倒だと目に見える現実の世界だけを追い続けることになり、神様に通じる目に見えない世界のことを忘れてしまいます。目に見える世界の極限を見極めた最先端の科学者の方々は、目に見えない世界の偉大な力に気づき、神様の存在を感じるようになるそうです。

遺伝子研究でノーベル賞候補に挙げられた、村上和雄先生は、神に通じる大いなる力を「サムシンググレート」と名付けられました。

カトリック学校で学ぶ皆さんは祈りを通じて大自然、宇宙に通じる、偉大な神の存在を知ることができるのです。祈りは静かに神様と対話し、自分の行動や考えを見つめなおす大切な機会です。神様の愛を感じ、その愛を、他者に伝える力を身に付けること。それがカトリック学校のミッションであり、「賢明らしさ」を身に付けることなのです。祈りの時間を大切にして自らの心を開き、他者への思いやりを忘れない豊かな日々を過ごして欲しいと願っています。日々の学びがそのまま社会に繋がります。学校生活で身に付けた祈りの心を忘れず、隣人に寄り添い、社会に貢献できる人になって下さい。

日々の祈りが世界平和への確かな一歩となり、小さな祈りの連鎖が、持続可能な未来を開く大きな力を生むのです。今週行われるロザリオの祈りも、意味深きものにしましょう。

ではこれで私の話を終わります。

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