賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2024/10/28

芸術

おはようございます。

皆さんは、「春夏秋冬」どの季節が一番好きですか? 手を挙げてみましょうか。

春が好きな人は?夏が好きな人は?秋が好きな人?冬が好きな人?

それぞれに好きな理由があるのでしょうね。私は秋が好きです。しかし、最近は地球温暖化で夏が異常に長くなっているようで、春と秋がなくなって、その内に、夏と冬だけになってしまうかもしれないと心配になります。

先週、県内の私立学校の先生方の会議があり参加しましたが、会議終了前に、兵庫県立美術館の紹介があって、「今高校生以下は無料なので、是非鑑賞して欲しい」ということでした。私はそのお話を聞きながら、スマホのユーチューブなどですぐに情報が入ってくる便利な時代なので、最近の若い人は美術館や音楽会にあまり行かないのではないかと思いました。しかし、美術や音楽は、AIの画面で見るのと、実際に観たり聴いたりするのとでは、感じが全く違います。友達との会話もメールでやり取りするのと、直接会って話すのとでは伝わるものが違うのと同じですね。

以前に、東大医学部付属病院の医師、稲葉敏郎(いなばとしろう)先生のエッセイを読みました。ご自分も能を舞い、芸術にとても造詣の深い先生は、「芸術と医療は密接に関係している」と述べておられます。

西洋医学の源流は、紀元前500年ごろの古代ギリシャの名医、アスクレーピオスで、聖地エピダウロス神殿は、医療・芸術・宗教の総合施設だったそうです。そこには、仮眠所があって、優れた演劇やオペラを観てから眠りにつくと、名医、アスクレーピオスが夢に現れて、目覚めると症状が回復していたといいます。芸術によって、深く精神が癒され、身体が回復したのでしょうね。治療の始まりは、心と身体と精神のバランスをとることでした。殆どの病気が、心と身体の不調和が原因ですから理に適っていますね。

心が病んでいると身体がバランスを崩してしまいます。心が健全だと身体も健康で精神も整います。友達とも対話によって心と心が繋がり、互いに分かり合えると嬉しくなったり、元気になったりしますね。

芸術との対話は、美しい物と心を交わすこと、お祈りは神と心を交わすこと。心を閉じ、一人で悩んだり篭ったりしていたのでは何も進みません、心身が不調和になります。

さて、身体は60兆個の細胞で構成されています。私達の身体は60兆個の小さな命の集合体なのです。「私」を構成する一つ一つの細胞が正しく機能すれば、心身ともに健康です。

私たちは、毎日長時間、パソコンやタブレットなどのIT機器と向き合っていますが、画面を長い時間見ていると、身体が固まり疲れます。それは、ものを見る目の細胞だけが働いて、他の細胞が働かず、心が固まって身体のバランスが崩れるからです。そんな時、絵画や音楽等、美しいものを観たり、聴いたりすると、心が循環して、心身がバランスを取り戻します。

暑い夏が収まり、過ごしやすい気候になってきました。11月は修学旅行やピクニックなどもあります。心を整えて秋の響きを聴き、美しい芸術に触れて心に栄養を与え、みんなと心を交わす豊かな日々を過ごして下さい。

ではこれで私の話を終わります。

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