賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2024/11/11

自分の良さを生かす

先週は、それぞれの学年が、修学旅行や学年別ピクニックに出かけ、集団行動の勉強も兼ねて楽しみました。高校3年生は勉強に集中できたようですね。受験も団体戦です。みんなで互いに高め合いながら頑張って欲しいです。

さて、アメリカ大統領選挙はトランプ氏が勝利しましたが、大統領候補であった民主党のハリス副大統領が、10月20日、激戦州の一つ、ジョージア州の教会の礼拝に出席し、支持者から60才の誕生日を祝福されました。歌手のスティービー・ワンダーさんも演説の応援に駆け付け、ご自身のヒット曲、「ハッピーバースデー」を歌い、ハリス氏の誕生日を祝ったとニュースで報道されていました。彼の作品の中では、「We Are The World」が大変有名ですね。

これは実際にあった話ですが、アメリカのデトロイトという町の、ある小学校での出来事です。一人の女性の先生が理科の実験をしていました。実験ではネズミを使っていたのですが、その最中に、ネズミが逃げ出してしまいました。女の子たちは「キャー」と悲鳴をあげ、元気な男の子たちは、ネズミを捕まえようとして必死に教室中を探し回りました。しかし、誰一人ネズミを見つけることも、捕まえることもできませんでした。その時、その先生が叫びました。「みんな、静かにして」教室はシーンと静まり返りました。

先生は一人の男の子を指して言いました。「ここは、モリス君に頼みましょう。モリス、君なら出来るでしょう」。実は、モリス君は、保育器内の過量酸素が原因で視覚に障害があり、目が見えなかったのです。そのために彼は強い劣等感を抱いていました。

「さあ、モリス君、お願い見つけて」と先生は言いましたが、クラスのみんなは、先生がなぜ、モリス君にネズミを探すように頼んだのか理解できませんでした。

さてこの先生は、なぜモリス君にネズミを探すように頼んだのでしょうか。先生は、彼が目は不自由でも、その代わりに素晴らしい聴力を持っていることを知っていたのです。彼は、人並み外れた聴覚を頼りに、ネズミの居場所を探し出し、見事に捕まえました。それがモリス君にとって、自分の持っている能力が「素晴らしい」と認められた初めての経験でした。彼はそれまで気づかなかった自分の能力に気づき、皆の為にそれを活かすことができることを知ったのです。その後、彼はこの時のことについて次のように語っています。

「まさにその時、先生が自分の持つ能力を認めてくれた。

その時から自分の新しい人生が始まった」

その後、彼はこの素晴らしい聴力と絶対音感を駆使し、数々のヒット曲を生み出し、スーパースターになりました。この人こそ最初に話した、スティービー・ワンダーです。今も彼は国連平和大使としても、平和のために世界中で活躍しています。

 

 

皆さんと話をしていると、「何も取り柄がない」とか「自信がないんです」という言葉を聞くことがあります。本当にそうでしょうか。人は誰でもその人の素晴らしいところがあります。誰でもが、他の人には真似のできない、それぞれの良さがあるはずです。自分の良さを見つけ、周りの人の良さに気付いたら「それはあなたにしかできないこと、あなたのそこが魅力的」と言ってあげて下さい。

そして、それぞれが、それぞれの良さを活かせる場をみんなで作っていきましょう。

では、今週もがんばりましょう。

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