賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2025/06/30

学ぶとは

 今週木曜日から1学期のまとめの期末テストが始まります。1学期を振り返りながら、

「学ぶ」ということの意味について考えてみました。

哲学者でもあり、教育者でもある内田樹(うちだたつる)さんが、次のように述べられています。

「学ぶということは、自分のためにするものではない。

学んだことは、いつか他人のために使うことになる」(待場の教育論より)

これはとても深い言葉です。内田さんは、「学びとは、将来、誰かのために使うものだのだ」と言っているのです。

確かに、皆さんが今、授業で学んでいることはすぐに「役に立つ」ようには思えないかもしれません。でも、皆さんが社会に出て、誰かを助けたり、支えたりする時、思いがけない場面で、その知識や経験が生きてくるのです。

これはまるで、自分の中に、誰かのための贈り物を育てているようなものですね。

たとえば、誰かが困っているとき、適切な言葉をかけられる人がいます。相手の気持ちを想像し、言葉を心の中に思い浮かべ、祈りながら行動できる人がいます。そうした人は、おそらく、日々、学び、考え、誰かの痛みを、自分のこととして受け止めてきた人です。

つまり、「学ぶ」ということは、愛の形の一つなのです。

内田樹さんはこんなことも言っておられます。

「自分にとって意味があることだけをやろうとする人間は、結局、自分の可能性を閉じてしまう」(同書より)

つまり、「これって、自分にとって意味があるの?」とすぐに判断するのではなく、「今は、わからないけれど、未来の誰かのためになるかもしれない」と、信じて取り組む姿勢が大切だということです。これはもしかしたらお祈りと同じかもしれません。私たちがお祈りするときに、すぐに結果が見えなくても、神様は私たちの祈りを受け取ってくださっています。

同じように、皆さんが今日した努力も、きっと誰かの未来の支えになるのです。

今、皆さんが取り組んでいることすべてが、「未来の誰かのために、自分の中に贈り物を育てる時間だ」と思って、心を込めて取り組んで下さい。

「教養とは、人を幸福にする力のことだ」とも言われます。

学んだことが、誰かを笑顔にし、誰かの心に光を灯すことができる。

それこそが、皆さんが「賢明」で学ぶ意味なのです。

それでは、今週も深い学びが出来るよう、一日を大切に使って下さい。

 

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