賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2026/01/08

2025年度3学期始業式

新年あけましておめでとうございます。

3学期が始まりました。冬休みを終えて、皆さんの元気な姿に再び出会えたことを嬉しく思います。あなたたちの晴れやかな表情を見ていると学校全体に新しい光が差し込んだようで、私自身も気持ちが引き締まります。

さて、今日は3つのことを話しましょう。

1つ目は午年の馬にまつわる話です。

2026年、今年の干支は、丙午(ひのえうま)ですね。馬は古くから、その力強さ、俊敏さに例えて、前へ進む勢いの象徴とされて来ました。広い草原を駆け抜ける馬の姿に、迷いを断ち切り、思い切って一歩を踏み出す決断力と勇気を重ねたのでしょう。また、午(うま)は十二支のちょうど真ん中に位置し、太陽が最も高く昇る「正午」とも重なります。午年は、物事が大きく動き出す年、勢いがつく年とされ、挑戦や変化の年と言われています。しかし、勢いよく真っすぐに進もうとしても、思いがけない障害や問題が待ち受けていて、計画通りにいかないことが多々あるでしょう。そんな時には「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」という言葉を思い出してください。この言葉は、中国の古事に由来します。

「塞翁(さいおう)」という老人が飼っていた馬が突然逃げてしまいました。人々が慰めに訪れると、塞翁は静かに「これは幸いに繋がるだろう」と言いました。数ヶ月後、逃げた馬は立派な駿馬を連れて戻ってきました。人々がお祝いに行くと、今度は「これは災いに繋がるだろう」と言いました。やがて塞翁の息子がその駿馬に乗っていて落馬し、足を骨折してしまいます。人々がお見舞いに行くと、塞翁はまた「これは幸いに繋がるだろう」と言いました。1年後、隣国との戦乱が起こり、多くの若者が戦死しましたが、足を骨折していた息子は兵役を免れ、命を落とさずに済みました。

この故事が伝えているのは、「幸いと思えることが原因して後に不幸になることもあり、その逆もある」ということです。つまり、目の前の出来事を「良い」「悪い」と短絡的に決めつけないことが大切だということを教えています。皆さんの学校生活にも、同じことが言えますね。2学期のテストの点数が思うようにいかなかった。クラブ活動で悔しい思いをした。友達との関係で心がざわついた。そんな経験は、誰にでもあります。でも、それらは「失敗」ではありません。心の持ち方一つで未来の自分を形づくるための礎となるのです。今日の悔しさが、明日の成長につながる。今日のつまずきが、未来の自分を守ってくれる。今日の小さな一歩が、大きな飛躍のきっかけになる。塞翁の物語は、そんな教訓を私たちに与えてくれます。午年の年頭に当たり、失敗も成功に繋がるという話をしました。

2つ目は「挨拶の力」についてです。

昨年、いろいろな所で、偶然卒業生たちに出会いました。久しぶりに会った彼女たちは、賢明当時の面影を残しつつも、すっかり大人に成長し、自立した立派な社会人に見えてとても頼もしく思いました。なぜ彼女たちがそんなに立派に見えたのでしょうか。思い返してみると、そう印象付けたのは、私に対する挨拶でした。

挨拶には人柄がそのまま表れます。彼女らはただ「こんにちは」と声を掛けるだけではなく、目を見て、笑顔で、相手を尊重する気持ちを込めて、丁寧に挨拶してくれました。その眼差しに、声の響きにそれぞれの人間性が表れていて、たった一度の、その挨拶が私の心に深く届いたのです。通常の形だけの挨拶では無く、心からの丁寧な挨拶には、私たちが思っている以上の、高い波動がこもっています。

私はいつも挨拶の大切さを伝えていますが、心をこめた挨拶すれば心のこもる言葉が返ってきます。すると心が循環して人と人を結び、学校全体の雰囲気が変わります。逆に、いい加減な挨拶や無視は、ネガティブな波動となって対する人を否定し、心を分断して、場の空気が動かなくなります。私達、賢明は生徒も教職員も、挨拶を大切にして「燈台の光のような人」を目指す学校であり続けねばなりません。今年も挨拶を大切にすることを心がけましょう。

3つ目は世界情勢についてです。

世界は今、大きな変化の中にあります。新年早々にアメリカによるベネズエラ攻撃とマドゥロ大統領の拘束のニュースがあり、その強硬さに驚きました。中東情勢、ウクライナ情勢、台湾をめぐる国際関係も深刻です。世界は混沌として争いと分断を加速しているのです。気候変動の問題も深刻です。国際会議では、地球温暖化をこれ以上進めないために2050年までに「出すCO₂と吸収するCO₂を同じにして、実質ゼロにする」という世界共通の目標が話し合われています。こうした世界の動きは、私たちの生活にも直接影響します。円高、円安、金利の変動、エネルギー価格の変化は直接、皆さんの日常や将来の進路にも関わってきます。日々のニュース記事を読み、世界の動きを自分なりに考えることを習慣付けて下さい。それが、これからの時代を生きるために不可欠な常識となります。

午年の今年、皆さんが駿馬のようにしなやかに、力強く、そして自分らしく、前へ進んでいけることを願っています。うまくいかないことがあっても、「人間万事塞翁が」。失敗も含めた今の経験が、必ず未来へのエネルギーを生みます。

2026年が、皆さんにとって新しい挑戦と成長に満ちた一年となりますように。

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