賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2026/05/18

マリア様

先週は、祈りについて話しました。祈りは、心の窓を開く時間、という話でしたね。

今朝は、その祈りの中でも、私たちが毎日唱えている「アベ・マリア」の祈りと、マリア様について、一緒に考えてみたいと思います。

カトリックの学校では、5月はマリア様の月とされています。なぜ5月なのでしょうか。それは、5月という月が、一斉に花が咲き、「命」が輝く季節だからです。自然の恵みにあふれる5月を、私達を優しく見守り、育んで下さるマリア様に捧げるのです。

聖書の中に次のような場面があります。天使ガブリエルがマリア様のもとに現れ、「あなたは神の子を産む」と告げます。突然の知らせに戸惑いながらも、マリア様は「はい」と答え、大きな喜びと同時に不安を覚え、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身になりますように。」と答えます。私は、この一言がすべてを語っていると思います。マリア様は、答えが見えない不安の中でも、神様を信頼し、「はい」と言えたことによって、キリストが誕生しました。「はい」という言葉、この一言が、世界を変えたのです。

私達の日常にも、「はい」と答えるのが難しい瞬間があります。苦手なことに挑戦しなければならない時、誰かのために自分を後回しにしなければならない時、失敗しそうで怖い時。そういった場面で「はい」と言える素直な心が、困難を克服する、内なる力を生むのです。迷わず、何事にも全力で取り組む、そんな、あなたの姿を、マリア様は見守ってくださっています。

また、マリア様は「母」として生きられた方です。イエス様を産み、育て、見守り、イエス様が十字架に架けられた時も、マリア様はその場を離れず、寄り添い続けました。そして、いかなる悲しみにも、その愛が揺らぐことはありませんでした。私は、マリア様は「静かな強さを持つ方」だと思います。声高に何かを叫ぶのではなく、静かに寄り添い、静かに祈り、ひたすらに愛し続ける。そのような、揺るがぬ強さです。

本校は、今年創立75周年を迎えます。多くの先輩たちが賢明で学び、祈り、立派に成長して、社会に羽ばたいて行きました。先輩方のマリア様への祈りによって、賢明の歴史が綴られ、「はい」と答える素直な心と、「燈台の光のような人になる」という教育理念を達成して、人に寄り添う女性を目指す、賢明の校風が培われたのです。

先輩たちが手を合わせたこの学び舎で、皆さんも今、同じように手を合わせています。75年の長きに渡り、多くの卒業生が培ってきた、校風をより豊かなものに育み、次の世代に受け渡していく。そのことが、どれほど尊いかを知り、あなた自身の成長に繋げて欲しいのです。

 

27日に行う「聖母マリアを讃える集い」では、皆さんの歌声と祈りをマリア様に捧げます。形だけの参加ではなく、自分の言葉で、自分の心で、感謝を込めてマリア様に語りかけてください。ささやかなお願いでも、ただ「ここにいます」という一言でも十分です。マリア様は、完璧な方ではなく、不安の中でも「はい」と言えた素直で優しい心の方です。ですから私たちの迷いを、必ず受け止めてくださいます。

今日の一日が、マリア様の祈りに包まれて幸せでありますように・・。

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