賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2026/08/17

全校登校日に

今年の夏も、記録的な猛暑が続いていますが、皆さん、元気に過ごせていますか。

クラブの練習や試合、賢明祭の準備、勉強や模試、ボランティア活動、海外研修、試合など、それぞれの場所で懸命に取り組む皆さんの姿が、学校の公式インスタなどを通して、たくさん届きました。炎天下での練習、慣れない土地での研修では嬉しいことも辛いことも、たくさんあったと思います。それでも、厳しい暑さの中で、前向きに、そして丁寧に、日々を積み重ねている皆さんの笑顔は、本当に頼もしく、嬉しく思いました。ご家族と過ごす時間や、旅行など、心に残る思い出がたくさんできたことでしょう。

7月28日午後4時27分、熊本県熊本地方を震源とする、マグニチュード7.1の大きな地震が発生しました。「令和8年熊本地震」と名付けられたこの地震は、2016年の熊本地震から10年3か月ぶりに再び起こった、震度7を観測する大地震でした。宇城市の商業施設で起きた爆発事故や、八代市の工場での事故なども重なり、40人近くの方が犠牲になり、今なお、多くの方が避難所での生活を余儀なくされています。政府はこの地震を「激甚災害」に指定。断水や停電の復旧、住まいの再建に向けた支援が懸命に続けられています。

その後も、追い打ちをかけるように強い台風が沖縄や奄美地方に接近し、「フェーン現象」や、大雨による土砂災害も多発しました。地震だけでなく、暑さや次の災害への警戒も重なって、被災地の方々は、今もなお気の抜けない毎日を過ごしていらっしゃいます。

皆さんも、テレビや新聞で伝えられる被災地の映像を見て、心を痛めたのではないでしょうか。一瞬にして日常が奪われてしまう自然災害の恐ろしさを、目の前に突きつけられ、自然の驚異を改めて認識しました。瓦礫の中から助け合う人々の姿や、全国各地から駆けつけたボランティアの方々が我がことのように汗を流しながら復旧作業にあたる様子が、報じられていました。厳しい状況の中で人と人とが手を取り合い支え合う姿に、響き合い、心廻る調和の未来への大きな希望を感じます。

断水が続く熊本県八代市に、遠く神奈川県から駆けつけた横浜市水道局の給水支援隊のもとに、給水を受けたご家庭から一通の手紙が届いたそうです。そこには仕事で帰宅が遅くなる家の玄関先に、水を置いておいてもらったことへの感謝が、丁寧に綴られていたそうです。現地で汗を流して、懸命に働いていた職員の方々は、その手紙に大きく励まされたといいます。

心からの思いで「ありがとう」をいう、そのたった一言が助ける側と助けられる側、両方の心を温かに結ぶ。こうした小さなやり取りの積み重ねが、被災地を支える大きな力になるのです。

もう一つお話しします。今、甲子園では全国の高校球児たちが熱い戦いを繰り広げています。地震で大きな被害を受けた地域にある有明高校が熊本代表として甲子園に出場しましたが、交通機関がマヒして通常のルートが使えず、バスや新幹線を乗り継いで甲子園に入り、開会式に臨むという大変な苦労があったそうです。それでも、部員全員がそろって無事に甲子園の土を踏むことができました。開会式では、地震の犠牲者に黙とうを捧げ、主将は、力強く健闘を誓いました。困難な状況の中でも諦めず、仲間と共に前進する姿は、私たちに大きな勇気を与えてくれます。私たちは安全な場所で夏休みを過ごし、今こうして元気に顔を合わせることができています。しかしそれは、決して当たり前のことではないのです。

この夏の大変な出来事、熊本地震を通して、日頃からの備えの大切さを自覚し、平和な日常への感謝の気持ちを、改めて心に留めてください。本校でも避難訓練を行っていますが、災害は、いつ、どこで、どのような形でやってくるか、誰にも分かりません。日頃の訓練を「もしも」の時にいかせるよう、一人ひとりが真剣な気持ちで取り組んでほしいのです。

日本列島は火山活動期に入り、南海トラフ地震も遠からずといわれています。播磨地方は比較的安全なようですが、もし、地震が起きたらどこに避難するか、家族とはどう連絡を取り合うか。この機会に、一度、家族で話し合ってみるのもよいかもしれません。備えておくことは、決して無駄ではありません、自分と大切な人の命を守る、確かな一歩となります。

遠く離れた場所で「困っている人たちのために自分に何ができるだろうか」と思いやる優しさを大切にして欲しいのです。募金や応援のメッセージなど、小さなことで構いません。誰かを思いやる気持ちが、心の支えとなり、生きる力になります。有明高校の選手たちのように、逆境の中でも仲間と支え合いながら前へ進む姿勢には、部活動や勉強、友人関係など、私たちの日常にも、活かせる学びがあるはずです。

夏休みも、残すところ、あと2週間余りとなりましたがまだまだ厳しい暑さが続きそうです。体調管理には十分に気をつけて、2学期に向け、心と身体の準備を整えましょう。この夏に経験したこと、感じたことを大切な学びとし、一人ひとりが成長した姿で、元気に登校してくれることを楽しみにしています。

 

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