賢明女子学院中学校・高等学校

光あれ 日々の所感 校長 松浦明生光あれ 日々の所感 校長 松浦明生

2026/09/01

2026年度2学期始業式

2学期 光を、かたちに

 

今日から2学期が始まりますが、皆さんの顔が少したくましくなったように感じられます。それぞれに意味のある夏休みを過ごせた証でしょう。

1学期の終業式で、私は「挨拶は心の光」の話をしましたが、皆さんは、校門で、廊下で、教室で、率先して挨拶を交わし、今年度の目標、「世界を結び未来をつなぐ、心のこもった挨拶ができる賢明生」を実践して、心の光を学校中に広げてくれました。1本のろうそくの灯が、隣へ、また隣へ受け渡されて、光の輪になるように、皆さんの挨拶も学校中に広がっていったのです。

2学期はそれぞれの心の光を、さらに大きく、確かなものへと育て、伝え広げていく学期です。まもなくに迫った「賢明祭」は、それぞれの命を映す心の光を大勢のお客様に届ける絶好の機会です

9月13日(土)の一般公開日には、保護者の方、地域の皆様、卒業生など、多くのお客様をお迎えします。創立75周年というこの記念すべき年に、皆さん一人ひとりの心の光が一つに繋がり、総ての来場者の心に光を燈す賢明祭にしなければなりません。

さて、この夏「光」にまつわる出来事に心を動かされました。今年の全国高校野球選手権で優勝した、智弁和歌山高等学校の采配です。決して部員の多いチームではありませんでしたが、監督は、3年生の部員全員をベンチ入りさせ、記録員以外のほぼ全員に、実際にグラウンドに立つチャンスを作りました。地方大会ではベンチに入れず、甲子園の舞台がこの夏初めての登板だったという選手もいたそうです。勝つことだけを考えるなら、上手な選手だけを出場させるはずです。けれども監督は、目立たない場所で声を出し続けてきた部員、練習を陰で支え続けてきた部員にも、あえて光を当てるべく出場させたのです。そして、チームは見事に優勝を果たしました。日本一という結果を、皆の心の光を結集して勝ち取ったのです。

「勝つためには効率を犠牲にしてもよい」というのが通常の采配でしょう。しかし、智弁和歌山の監督は一人ひとりの心の光が輝くことを第一に考えたのです。その結果、選手たちが「自分もこのチームの一員として役立っている」と実感し、それぞれが持てる力を充分に発揮できたのです。それぞれが持てる力の全てを発揮すればチーム全体の力が最大限に活きて目標を達成できる、ということが証明されたのです。

まもなく迎える賢明祭でも同じことが言えます。中心となって目立つ役割の人もいれば、縁の下の力持ちのような役割の人もいます。どちらが欠けても、良いものは作れません。互いに認め合い、信じあって可能性が最大限に生きる賢明祭を期待しています。

2学期は、2つのことを実践しましょう。1つは、自分の持ち場で、力を尽くすこと。もう1つは、周りの人にも目を向け、互いに認め合い共に歩むことです。中学生の皆さんは、高校生の先輩たちの姿から学べることがたくさんあるはずです。高校生の皆さんは、後輩たちが安心して力を発揮できるよう、チャンスを作ってあげてほしいのです。

何気ない日常の挨拶が支え合う心に繋がります。心の籠る挨拶には、心の光が満ちています。丁寧な言葉遣い、相手を思いやる立ち居振る舞い、そして制服を美しく着こなす姿。それら、一つひとつが心の光を表わす形であり、「あなたを大切に思っています」という愛のメッセージなのです。

廊下ですれ違うお客様に、自分から気持ちのよい挨拶ができる。丁寧な言葉で、心を込めて人と接することができる。制服に袖を通すとき、その一着にふさわしい着こなしができる。こうしたことは、誰かに強制されて身につくものではありません。皆さんが「賢明」の生徒として、自分で感じ、自分で考え、自分を律する日々の生活の中で「心を受け入れて心を尽くす」賢明生らしさが身につくのです。

私はもとより、先生方も皆さん一人ひとりに丁寧に向き合い、心を込めて細やかな指導を尽くすよう心がけます。そのようにして身についた丁寧な心遣い、礼儀や作法、立ち居振る舞いが、卒業した後も皆さんの中に息づき、色々な場面で、あなたを支えてくれるのです。賢明を巣立っていった先輩たちの多くが、社会に出てから、学生時代に自然と身についた礼儀や作法に助けられたと話してくれます。それは賢明で灯された小さな心の光が、時を経て、育まれ、身に付いて、行動の確かな力となった、その証だと思います。今学期は特に、丁寧な立ち居振る舞いを目標としたいと思います。あの甲子園の選手たちのように、日々の積み重ねを大切にし、必要な折、自然に発揮できる人でありたいですね。

創立75周年を迎えるこの年、皆さん一人ひとりが灯す小さな心の光が、挨拶となり、言葉となり、立ち居振る舞いとなって、賢明祭をはじめ、様々な場面で大きな光の輪へと広がっていくことを願っています。実り多い2学期になりますように。

 

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